「分断を超えて」 使徒言行録2章1節~11節

ペンテコステの日、弟子たちの上に聖霊が降ることによって起きた出来事は、弟子たちがあらゆる国の言葉で、「神の偉大な業」を語り始めるということであった。聖霊は弟子たちをして言語の壁、民族の壁を超えさせ、同じ一つのこと、すなわち「神の偉大な業」を語らしめ、人々はその多様性にもかかわらず、それを理解することができた。

では弟子たちが外国の言葉で語り出した「神の偉大な業」とは、いったい何だったのか?14節以下にペトロの説教が記されているが、そこで語られていたのは、「神が十字架に死んだイエスを復活させられることによって、それを信じる人々を罪と死の力から解放するということ」であった。そして、「イエス・キリストによる救いを信じた人々は相互に交わり、共に食卓を囲み、そして祈った」とある。聖霊を受けて誕生した教会に与えられた使命、それは人々に分断をもたらそうとする力に抵抗し、恐れや不安や憎しみや疑いを超えて、共に繋がり合って生きることは可能なのだということをこの世界に示すことではなかったか。ペンテコステの日に聖霊が降り、誕生した教会は分断された世界に和解をもたらすようにと主から招かれている。